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マシケキンオサムシとテシオキンオサムシの分布境界ライン

マシケキンオサムシとテシオキンオサムシの分布境界ライン

あけましておめでとうございます!!✨2022✨

もはや新年から半年の6月なのに2022年のブログ一発目です!!!笑(サボりすぎました💦)

去年は過去で一番オサムシ採集が好調でしたが、果たして今年はどのような成果になるのかワクワクドキドキの昨今です!☺️

さて、今回は去年の採集記事になりますが、マシケキンオサムシテシオキンオサムシの境界線を探るためオロロンライン一帯の市町村を採集してきました!

そもそもオロロンラインとは小樽から稚内の海外線を走る国道231号・国道232号の愛称です。オロロンはオロロン鳥(ウミガラス)という鳥から由来するそうですね。

今回はそのオロロンラインに接する9市町村(石狩市/増毛町/留萌市/小平町/苫前町/羽幌町/初山別村/遠別町/天塩町)を調査しました!

 

 

 

 

 

 

マシケキンオサムシとテシオキンオサムシの違い

マシケキンオサムシ(アイヌキンオサムシ増毛山地南西部亜種)の特徴として、日本産オサムシ図説には「①鞘翅は一般により強く黄緑色味を帯び,光沢がやや鈍い」、「②頭部と前胸背板には顕著な雛と点刻を有する」、「③前胸背板の最広部はより後方にあることが多く、側縁は前方に向けてより強く狭まる」、「④鞘翅間室間の点刻はより強く刻まれ,第二次,第三次問室の頼粒列はより顕著で,規則的に配列する」と記載されている。分布としては、石狩市厚田区から留萌市までの個体群が上記の特徴に当てはまり、初山別までいくとテシオキンオサムシに近いとある。

一方、テシオキンオサムシ(アイヌキンオサムシ道北亜種)の特徴は、「❶本種としてはやや大型の個体を多く含む」、「❷前胸背板の最広部は中央より前方にあり,側縁後方の波尚は弱い、」、「❸鞘翅の膨らみは比較的弱く,♂では細長く,側縁が平行に近くなり,♀では中央より後方に最広部がある」、「❹第一次間室は連続する隆条,第二次,第三次間室は頼粒列となるが,後者二者はやや発達が弱い」、「❺間室間の横皺はあまり強くなしものが多い」と記載されている。分布域は天塩町一帯と内陸にかけてである。

以上の条件を踏まえて、マシケキンオサムシとテシオキンオサムシの境界線を探っていく。

 

石狩市

まず初めに石狩市北部!こちらは以前にも採集した既存産地なので、生息していることはわかっていますが、採集してきました〜!

ここのポイントはオオルリオサムシとアイヌキンオサムシが同時にとれるポイントなのですが果たして。。。

  

ウム!!まずはマシケキンオサムシ!石狩市産確保!

 

 

マシケキンオサムシとキタオオルリオサムシが半々くらいで採集できました!

これで一応ヌルは回避できました😅

 

ポイント移動中にマムシに遭遇😲

石狩にも生息しているのか。。。。

 

 

 

 

 

増毛町

増毛町は2ポイント仕掛けたのですが、まずは1ポイント。。。

う〜む、いないですね。。。

あちゃ〜カップが抜かれている〜💦

これはキツネのせいですかね😅

開けた箇所に仕掛けてしまうと時々獣害に遭ってしまうのです。。。

 

しかし、頑張って笹藪の中のコップを見てみると。。。

おお〜〜!!

オオルリオサムシダブル!!!

この後も笹藪の中ではそこそこオオルリオサムシは採集でき20頭近くまで取れました!8月後半の新成虫シーズンでこれなら、5~6月はもう少しとれそうですが、これだけとれれば満足です😅

結局1ポイント目ではマシケキンオサムシはとれず、、、ポイント移動

 

 

次のポイントは原生林と隣接する二次林。本当はもっと奥の原生林まで行きたかったのですが、林道が通行止めで手前で仕掛けることに。

まぁそれほど期待はしていなかったのですが、、、、

う〜む、結構落ちました!!

とりあえずPTを仕掛けることの大切さを実感いたしました!

マシケキンオサムシもなんとか一頭採集することができ、増毛町産も無事に確保!!

なんとなくですが、林道のヘリはオオルリオサムシ が多く、少し藪に入ったほうがアイヌキンオサムシは多いと思います。。。まぁあくまで傾向としてですが

 

 

 

 

 

留萌市

ポイントを移動し留萌市へ!留萌はなんといってもお寿司が美味しいですよね〜!

まぁ高くて手は出にくいのですが。。。😅

そういえば、今回の採集の石狩市と天塩町以外はすべて新規開拓なのですが、ポイントの選定基準としては、トドマツの針葉樹林または、広葉樹と針葉樹が入り混じった原始林です!

低標高のアイヌキンオサムシを探す際には古い針葉樹林がキーになります。広葉樹林にはなぜか少ないのです。。。🤔

おそらくですが、オオルリオサムシとの棲み分けかなとも思いますが、詳しくはさらなる調査が必要ですね!

 

さてさて、それらのことを考慮した留萌市のポイントのカップを除くと。。。

 

こんな感じで、そこそこ当てることができるのです!コツさえ掴んでしまえばそれほど難しいことではないのですが、留萌ではオオルリオサムシは採集できず、またいつかリベンジしなくてはです!!

光沢も石狩と増毛よりかは強くなってきたかな。。。?笑

 

 

 

 

小平町

またしてもポイント移動!

なかなか見事なトドマツ林。

 

エゾマイマイカブリがいるということはルリオサも少し期待できるかもしれない!。。。と思ったのですが、、、

採集できたのはアイヌキンオサムシのみ!

ここまで来るとテシオキンオサムシの要素がかなり強くなって気がしますねぇ〜

同行者の方はここのポイントでもオオルリオサムシを1頭採集できてたみたいなので、単に薄いだけみたいですね〜。それにしても2021年はアイヌキンオサムシの当たり年なのか、僕の感が冴えていたのか、いくポイントのほとんどでアイヌキンオサムシを採集できています〜!この調子で他の市町村も採集したいところ!

 

 

 

 

苫前町

ヒグマの事件で有名な苫前町!ここは一番ポイント選定に苦労しました😅

どこに行っても原生林に続く道がなく、仕方なくあまり太くない樹木が並ぶ林道沿いに。。。案の定地面が硬く埋めるのに大変苦労しました!スズメバチも多いしまいったまいった。

カップの中を覗くも予想通りほとんどが空っぽ!そんな中一つのカップだけ煌くものが、、、

おお〜〜!!他のカップはほとんどが空なのにこれだけ唯一入っていたカップだけダブル!!う〜む、運に救われましたね〜〜!

他の産地に比べてやや条線が太めでしょうか。ここまで来ればマシケキンからテシオキンに変わっている気がしますね〜!

段々と移行がわかってきたような感じです!

 

 

 

 

羽幌町

どんどん行きますよ〜!羽幌町!あまり聞き覚えのない産地ですが、ここでもチャレンジ!!

コップを回収していきますが、コクロナガオサムムシがやたらと多い。そんな中一頭だけフォルムが違うコクロナガオサムシが、、、

 

「うお〜〜〜!!!」思わず大声を出してしまいました!

なんと完全黒化したキタオオルリオサムシが!!今まで全部赤色だったのに急に黒化したので驚きを隠せません😅

このような発見があるからオサムシ採集はワクワクしてしまいます!

採集できたオオルリオサムシの二頭共黒化しているので、どうもまぐれでは内容です!アイヌキンオサムシは相変わらずの色ですが、おそらくここまで来ればテシオキンオサムシでしょう!最初にご説明した条件からも一致していそうです。

 

 

 

 

初山別村

初山別村には2ポイント設置!最初のポイントがあまり良い環境とは思えなかったので、行き当たりばったりで仕掛けてきました!

まずは最初のポイントから

笹が混じるそこまで古くないトドマツ林。ウルシがかなり酷く、できるだけ触れないように慎重にコップを回収していくと。。。

それなりの数のテシオキンオサムシ!もはや、トドマツ林ならどこでも落ちるのではないか。。。笑?

ルリオサは残念がら落ちなかったので、2ポイント目に期待して少し移動!

 

2ポイント目も針葉樹林をメインに選びましたが、下草は笹がメインではなく、キリンソウが中心。。。はてさてどうなるか。。。

 

おお〜!!オオルリオサムシがチョコンと入っていました!!

先ほどの黒化した個体群の面影は全くなく綺麗な赤色。平均よりは細身の体格をしていますね!!

 

 

 

 

遠別町

この産地のポイントはPTを仕掛けた際に最後に訪れたポイントで、日が落ちかけた状態で埋めましたので、なかなか適当にやってしまいました😅

結果はというと〜

見事に撃沈〜〜〜!!!

コブスジアカガネオサムシとわずかなセダカオサムシが落ちておりました😭

ここにきて、初のキンオサヌル市町村となってしまいました残念💦

またいつの日かルリオサと一緒にチャレンジしたいと思います〜!!

 

 

 

 

 

天塩町

最後の市町村である天塩町!とは言ってもここは何年か前に採集できている既存産地なわけで、それほど心配のいらない産地でありますね〜!

 

コップの中身を見ていくと〜

正真正銘のテシオキンオサムシ!!

ここはなかなか多産するポイントであるためか、4つ落ちも!

テシオキン、、、それほど光沢強くない気がする。。。笑

 

最後に

さてさて、遠別町以外ではキンオサムシが採集することができました!
マシケキンオサムシとテシオキンオサムシの分布は基本繋がっていると考えて間違えなさそうです。しっかりとした分かれ目があるというよりかはグラデーションで変化している様子が伺えました。

あえて境界をつけるならば、苫前と羽幌町あたりで光沢の強さに違いや体格差が顕著だったかな?という感じですがなんとも。。。笑

アイヌキンオサムシはまだまだ産地を集めて勉強しなければと思います〜笑

それでは!ブログをサボっていた分、採集記事にしなければならないものが溜まっていますので、どんどん更新して、現在の採集に追い付きたいと思います!!