ハイブリッドの作り方
去年の暮れのこと、とあるブログサイトにてオオルリオサムシとエゾマイマイカブリのハイブリッド個体を拝見いたしました。その個体がなんとも魅力的で一目惚れをしてしまいました!😀
と。。。いうことで僕も作ってみることにしました!ハイブリッド!!!✨✨
飼育歴3年目となる今年、初のハイブッドの挑戦となるのですが、以前は偶然ではあるものの、ヒメオオルリオサムシとオシマルリオサムシのハイブリッドを繁殖させたことがあります。しかしながらあくまで偶然、今回は完全に別種である昆虫なので、本腰で挑むことにしました!😎
ヒメオオルリオサムシとオシマルリオサムシのハイブリッド
まず初めにハイブリッドを生み出す親個体を採集しなければなりません。活動中にピットフォールトラップで採集する方法は、もしかするとすでに後尾を済ませた個体である可能性があるので、メスに関しては越冬個体での採集が望ましいのです。🧐
ということで前回でも紹介しましたが、マイマイカブリの♀個体を採集したわけでございます!立派なメスなので期待大ですね!!🤩
5月1日(ペアリング開始)
メスは越冬個体1頭、オスに関しては、越冬個体1頭と同産地でPT採集できた個体2頭の計4頭の多頭ペアリング開始!!💪
簡単に飼育状況を説明させていただきます!川砂(木目が細かい砂)とピートモス(市販で300円くらい)を一対一でまぜまぜします。そこに水を入れ、混ぜた土を固く握るとポタポタと水が落ちてくるくらいの状態にします。
その砂をだいたい5~8cmにケースへ敷き詰め、軽く上から押さえつけて土を固めてあげます。ケースの大きさは30cm×20cmといったところでしょうか、なるべく密閉性が高いものをしようしましょう(コバエシャッターやキッチンペーパーも有効です)。あまり狭すぎるとメスが落ち着いて産卵できないので、なるべく大きなものを使用します。
最後に水苔!!これがかなり優秀です。だいたいこの大きさで500円くらいでしょうか。ホームセンターで売っています!こちらを使用する目的は3つほど。1つは保湿です。オサムシの多くは乾燥に弱いので、土が乾いているとまず産卵をしてくれることは難しくなるでしょう。😅
2つ目は隠れ場所となること、こちらも超重要!メスが産卵する際は非常にデリケートそんな時にオスがズカズカと邪魔すると産むものも産みません。雌が産卵する際は下半身を土に埋める状態になります。それが隠れる程度には(オサムシの体高程度)水苔を入れて上げましょう。
3つ目は幼虫の保護、こちらは幼虫が発生した際に、親個体に襲われないようにするためです。やはり昆虫、実の子でも容赦なく襲います。そういった際にも幼虫の隠れやすい場所を作って起きましょう。水苔も一回水に晒して絞ってから入れてあげましょう。オサムシが徘徊するとどうしても土と混じってしまい汚れてしまいます。完全に土と一体化してしまえばなぜか産卵しなくなるので1カ月程度で交換してあげましょう。🌟
あとは水分補給用のゼリー、餌のカタツムリを数個(飼育個体数+1が望ましいです)を入れてあげれば完成です!あとは定期的に水苔をどかして幼虫がいないかのチェックや苔や土が乾いていたら霧吹きで水分をあげてください。💧
これだけしても思うように後尾することはなく、お互いにまだ後尾スイッチをオフにした状態が1ヶ月近く経過しました。(ゼリーはめっちゃ食う笑)
我が家のオサムシ飼育場
ちなみにこのメスのエゾマイマイカブリは体つきが平均よりも大きいこともあり、北海道の中でも一番大きいのでカタツムリであるエゾマイマイをあげております!かなり大きいです!笑🐌
普通のオオルリオサムシではこのカタツムリは倒せないため、確保することはないのですが、、、
他にも北海道にはサッポロマイマイ、ヒメマイマイ、オカモノアラガイなどがいますが、オカモノアラガイだけはカタツムリの仲間から逸脱しているせいか、初齢(孵化直後の状態)、二齢(1回脱皮した後の状態)にはあげても問題ないのですが、終齢(2回目の脱皮をした後の状態)には絶対にあげないでください!😰どうも成虫になるための栄養素が少ないのかないのか、蛹になることなく死んでしまうケースが数多く報告されています。個人的には終齢は大きめのヒメマイマイかサッポロマイマイを2つ〜3つあげれば、まず間違えなく蛹になるので、そこは頑張りましょう!
5月31日(初齢)
さてさて、カタツムリもちょこちょこ食べさせつつ、ペアリングから1ヶ月も立ったので、様子を見てみると、、、
あらあら!!ケースの中に一頭の黒光りした生き物が!!✨✨😂✨✨
なんと1頭でしたが幼虫が発生しておりました!!素晴らしい!!👍
おそらく生まれた直後だと思われます。産卵から孵化までに大体10~15日ですので、ペアリングから半月で産んでいたのですね!さらに卵が形成されるのに一週間程度かかるのを考えると、割と早めの段階で後尾ができていたことになります!!う〜む、いつの間に。。。
ここまではトントン拍子で話が進みました。しかしながら、ケースの土から掘り出した卵2つは残念ながらそのまましなびれてしまう結末に、、、やはり採卵は難しいです^^;
とはいうものの、同じく採卵したオシマルリオサムシの卵は特に問題もなく、全て孵化。やはりハイブリッドの卵自体がかなり弱い傾向にあると思われます。😭
6月5日(二齢)
初齢の段階ではこちらのケースを使用しています。コーヒーのミルクなんかが入ってるくらいの大きさですね!こちらは百均に売ってます!これを使用する利点として幼虫がカタツムリを捕食しやすくなるということでしょうか(スペースをあまりとらないとか笑)。このケースに水苔と初齢、中くらいのオカモノアラガイを入れてあげます。そしたらあとは待つのみ!おそらく捕食から3~4日で二齢に脱皮することでしょう。クワガタとは違い、加齢スピードが半端ないです笑!💨
さてさてハイブリッドも無事に二齢になることができました。😋
どうやらハイブリッドといっても孵化率がとても低いだけであって幼虫が生き物として強い弱いはあまりないように思います。二齢からは部屋を移動して大きめのカップに!こちらも百均で売っているプラスチックカップですね。今年はフタ付きのもので挑戦しました。というのもフタなしだと乾燥が非常にひどく、羽化不全に繋がるケースが多発したためでもあります。🧐
二齢には中ぐらいのサッポロマイマイを一つ与えたえて十分だったらしくすぐに潜ってしまいました。
6月14日(終齢)
10日が経ったころ、ついに二齢が終齢となることができました!見て初めて抱いた感想が
デカイ!!!笑🤗
ふだんオオルリオサムシの幼虫しか育てていないため、マイマイカブリの血が混じるとここまで大きくなるのかと感服いたしました。笑
それに加えてオオルリオサムシの幼虫でありながら幅広なので、やはりハイブリッドの幼虫なのだと実感。マイマイカブリの幼虫は縁が青紫色に輝くのですがこの個体はオオルリオサムシのように全身マッドな黒色!う〜む、実に不思議な幼虫であります!
マイマイカブリの幼虫
オシマルリオサムシの幼虫
早速かなり大きめのサッポロマイマイを一つだけあげてみて様子見!と思ったのですが、どうも一つで十分だったらしくすぐに潜ってしまいました。あら?一個でいいの??🧐🧐🧐??
少し心配・・・・。😥
7月15日(蛹化確認)
1ヶ月が経ってもなかなか羽化してこないことから心配になりとうとう、土をホリホリして生存確認!!(幼虫や蛹が傷ついてしまう恐れもあるため、あまりお勧めはしておりません。。。)
う〜む、無事に成虫になっていただいてるとありがたいのですが。。。。
なななんと!!!蛹になってる〜〜〜〜!!!!😱‼️
少しはやかったか〜〜〜〜!!!笑😅
まぁこれはこれで羽化を観察できるからよいものの、蛹で掘り出してしまうと不全率が一気に上がるので、完全密閉の保湿第一で観察することに!!
オオルリオサムシの蛹期間は約二週間程度、この蛹は牙と目がすでに黒いことからあと二、三日で羽化するものと思われます!
つまり蛹になったのは10くらい前のことだと思いますので7月初旬でしょう!ということは半月ほど蛹になるための前蛹期間を経ていたことになりますね!フムフム🧐
7月17日(羽化)
朝目を覚ますと、、、なんと羽化が始まっている〜〜〜〜!!!!😲‼️
うお〜〜〜〜!!!なんというタイミング!この日はお仕事だったので、早く出なければならない、しかし見守りたい!!!😭
ということで時間ギリギリまで見届けることに!
徐々に上の方から薄皮が剥がれていきその脱ぎかた?を利用して上翅を伸ばしています!う〜む、いつ見てももこの瞬間は神秘的でたまりません!さらに今回はハイブリッド個体!!一体どんなオサムシになるのか期待に胸が踊りまくり!!✨✨💖💖💖✨✨
ある程度見届けたところでタイムアップ!!まぁ大体の羽化は終わったので、無事に見れてよかったです!
仕事が終わり大急ぎで自宅に戻るとだ。。。
おおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!✨✨🤩✨✨
紛れもなく、オオルリオサムシとエゾマイマイカブリのハイブリッドがそこには鎮座しているではありませんか〜〜〜〜!!!!🤗💖
まだ色は定着していないので、黒っぽい色をしておりますが、マイマイカブリのエリトラにしっかりとオオルリオサムシの乗線が刻まれております!どうもオオルリオサムシの要素よりもマイマイカブリの要素が大きくでたかんじですね!まぁマイマイカブリのメスから生まれたから納得もできます!
それにしても、不全が一切ない完璧な個体になったと感動!!!
ただただ感動!!!!😍
いや〜、生きている間にこうしてハイブリッドを拝めてとても幸せですな〜^^
7月22日(完全体)
完全に上翅(エリトラ)も硬くなり色も定着して、完璧なハイブリッド個体の誕生です!!
先日からかなりカラーがついて、かなりグリーンが強く出てきました!お父さんの遺伝が発揮できていますね!とても素晴らしい!!とりあえずここまではほぼほぼ順調に進むことができました!これから冬にかけて越冬の準備をしなくてはなりません!🤪
それはまた今度の機会に!!👍
考察
ここまでハイブリッドを飼育して来て、普通のオオルリオサムシとオシマルリオサムシとの差異を簡単にまとめました!
・孵化率が非常に低い(現時点までに採卵は20程度ながら、孵化した個体はわずかに5頭)
・カタツムリの捕食から土に潜る期間がとても短い(普通の幼虫は食べたあともダラダラとしています)
・体格がかなり大きい(大柄のマイマイカブリのメスと同じくらいの大きさ)
♀マイマイカブリ ×♂オオルリオサムシの場合、体型はどちらかというとマイマイカブリだが、多少オオルリオサムシの形も多少あります。体色はオオルリオサムシのグリーンが強く出ました。しかし質感はエゾマイマイカブリ。このことから、体型や質感は母親、体色や条線は父親に似る傾向があるのかもしれませんね!!しかし、まだ自分で羽化させたのは1固体のみ、これから個体数を増やして見比べて見たいものです!!🤗
最後にこれだけ!羽化した個体は地表に出てからカタツムリを一週間以内にあげなければほぼお亡くなりになってしまいます!!あとできるだけ、間髪いれずに食べさせ続けましょう!!これが越冬まで持っていく鍵だと睨んでいます!!🧐
それでは、最後まで読んでくださり有難うございました!!是非、オサムシブリード通称オサブリードに挑戦して見てください!!
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