記事を更新しました

フランス昆虫記〜コガネオサムシを求めて後編〜

フランス昆虫記〜コガネオサムシを求めて後編〜

さてさて、フランス昆虫記いよいよ後編です!!😊

フランスにきた目的はもちろんコガネオサムシ(Carabus auronitens)を採集すること。。。

そこで僕が選んだポイントが、パリ郊外にある「ムードンの森(Forêt de Meudon)」

以前からリサーチしていたブログやサイトなどからここが一番行き易いかつ、コガネオサムシ含め、さまざまな昆虫が採れる可能性があると踏んだわけであります。💭

 

郊外といっても、僕が滞在しているホテルからムードンの森までは片道12kmの道のり。。。車が使えないとなると結構な距離があるのです。そこで利用しようと考えていたのがレンタル自転車のヴェリブ(Velib)!!(パリジャンの交通手段の一つで、かなり便利そう!)

しかし、前日にルーブル美術館の際にも使いたいと思い、登録しようとした際、JCBカードだと難しいということが判明。。。ネット情報だといけると書いてありましたが、どうやら仕様が変わったようで・・・。

 

ムゥ。。。僕は元はといえば10年間野球部。。。

12kmくらい歩けるわ!!!!💨💨💨

ということで、日の出の午前8時に採集開始するため、ホテルを5時30に出発!!

行く途中にやけに雰囲気がある墓地。。。なんか出てきそう。。。😭

 

どんどん歩いて行きますが、早朝かつこの日は日曜日だったので、朝食抜き。。。(前日にちゃんと買っておけよ)片道2時間ちょいでムードンの森へ到着!

森の中はまだ少し薄暗かったのですが、まぁ採集できないこともないので、早速スタート!!

とはいったものの、海外のオサムシ。。。北海道のルリオサや、以前行った北関東でのミヤマイマイカブリの採集方法や生息地はほとんどあてにできない。。。

まずは、何となく池が近い湿地気味の下草がほとんどない土溜まりなんかを崩すも何も出ず。。。

そばにあった、朽木をどかしてみると、、、

(Carabus Nemoralis)

オオ〜〜〜〜!!!笑😄

まさかこんな場所で越冬しているとは、、、さすが海外のオサムシ、、、北海道の常識なぞは通用しない。

さらに近くにあった、ちょっとした土溜まりの苔をめくると、、、

画像がボケてしまいましたが、こちらはしっかりと穴を作って越冬しておりました!

ですが、さっきと同じ種類のオサムシ、、、もしかするとコガネオサムシとは生息域を分けているのでは?

という直感を信じて早々にポイントを移動。

 

林道を歩いて20分ほど、こんな感じの下草がびっちり生えた場所を選択。

しかし、この下草、、、何と薔薇なのです!🥀🥀🥀

フランスのオサをゲットするには、まさに茨の道というわけです。。。トゲトゲを掻き分けて奥へ進み、苔が生えて良さそうな寝返りを崩すと、、、

(Carabus Problematicu)

お!!先ほどとは明らかに違う種類のオサムシ!!

オサムシはやはり少しの環境の変化でも種類が変化するというのは世界共通らしい^^

このあとどんどん掘って行くわけですが、このCarabus nemoralisは、どうも多産している

みたいで、20匹ほど採集できました!! 笑(集団越冬なしで。。。)

よしよしと、ポチ袋にオサムシをしまい、掘り進めようとしたその時、

何やらピカピカしたものが見えているではありませぬか。。。

 

 

 

 

 

この輝きは間違いない、、、、、、、

 

 

(Carabus Auronitens)

ウヒョ〜!!!!!出ましたコガネオサムシ〜〜!!💖💖💖

憧れの昆虫が今、目の前に・・・。。。

感無量とはまさにこのことと実感しました〜!

コガネオサムシの分布域は広く、亜種にもかなり分かれているそうですが、

ここの地域のは、条線がハッキリとしており、赤みがかっている特徴があるそうです。

 

さてさて、ちょうどここで午前の採集が終了し、そのまま午後の採集開始(近くにお店などもあるはずがなく昼飯も抜き)。この時点ではオサは5~6匹ほど。。。数メートルしか離れていなくても、全くオサムシがいない場合がありました。そんな中、そこそこ大きい材をどかしてみてみると。。。

 

Platycerus caraboides

ありゃ〜!!こりゃ綺麗なヨーロッパコルリクワガタだこと〜〜〜〜!!

北海道ではコルリが分布域に入っていないため、見るのは初めて!細い材から割り出すなどを

ツイッターなどから聞いていたが、はてさて、生態が違うのかしら?

思わぬ副産物を手には入れたがなかなかオサムシがでない。。。

クジャクチョウのような鱗翅がヒラヒラ。。。

うひゃ〜綺麗なゴミムシ!(キンナガの一種とかかな?)

はてさて、先ほどコガネオサがでたポイントの

さらに奥地にポイントを移動して苔をペリペリして見ると。

 

お〜お〜!!出るわ出るわ!!笑😂

根返りを中心に出しながらも、倒木の樹皮剥がしでも捕獲!(先日の本州での経験が役立った!)

オサムシがわんさか!

挙げ句の果てにコガネオサムシの集団越冬(2匹だけだが)も拝めることができました!!

 

 

 

夕方になり、そろそろ帰ろうときた道を戻りながら良さそうな苔をめくっているとだ、、、、

 

 

 

 

 

うわ〜〜〜〜〜!!!コガネオサムシ黒化型だ〜〜〜〜!!!

 

やばい。。。オシマルリ掘り当てた時と同等かそれ以上の興奮!!!!!

思わず叫んでしまいました。。。笑😅

 

海外の方のブログでいくつか見かけた程度で、個体数もそこまで多くないだろう。

頭部と前胸部は普通のコガネオサムシと同じなのだがエリトラだけが漆黒!

そしてそこから伸びる赤い足!

かっこよすぎる。。。。笑笑✨✨✨✨✨✨✨

 

いやはや、最後にとても良いオサムシを拝ませていただきました。。。

さてさて、フランスでの成果を簡単にリスト化!

・コガネオサムシ(Carabus auronitens)14頭

・ムラサキキンオサムシ(Carabus violaceus)5頭

・ヒサゴオサムシ(Carabus problematicu)26頭

・マルオサムシ(Carabus nemoralis)6頭

・ヨーロッパコルリ(Platycerus caraboides)2頭

・謎ゴミムシ3種

・謎シデムシ2種

・謎ゴミダマ1種

という結果になったわけですが、

ほとんど集団越冬なしで、オサを50頭近く採集できました!

僕が経験したことない密度!特にフランスのオサムシが好みそうな環境を把握できた後半は苔をめくるたびに出てきて大変素晴らしかった。。。ほんと来た会がありました。。。

 

特に生態として面白かったのはオサムシ同士の住み分けですね。

森の縁ではヒサゴオサムシ(Carabus problematicu)がとにかく多く、コガネオサムシ(Carabus auronitens)はほとんどいませんでしたが、ある一定のライン、つまり少し森の奥に進んだ下草の生え具合や根返りが比較的多い場所では形成逆転!

コガネオサムシ(Carabus auronitens)が圧倒的に優勢になり、ムラサキキンオサムシ(Carabus violaceus)(写真撮り忘れた笑)もちらほら出て来ました。たかだか20~30mしか離れていないのですが、こうまで住み分けがきっちりできていると思うととても興味深かったです。

 

ここからは僕の予測なので、信憑性は全くないですが、今回の経験からすると、コガネオサムシとヒサゴオサムシは植生により分かれており、茨の下草が多い場所に生息していたヒサゴオサムシは蛾の幼虫を中心に食べ、コガネオサムシは春くらいに芽吹く下草を食べるカタツムリを捕食するのではないかとおもいます。

また、コガネオサムシ(Carabus auronitens)は完品の新成虫がほとんどでしたが、ムラサキキンオサムシ(Carabus violaceus)は欠け個体が多かったことから、生息域は重なるものの、発生時期が異なるのではないかと予想します。

いやはや、面白いですな〜〜〜〜!!!笑✨✨✨✨✨

(余談ですが、極限の空腹状態だったためか、昆虫を見つける感が異常に冴えていました笑)

 

 

てなわけで、今回の記事はこのあたりで締めたいと思います!次回には地元北海道での採集記事を載せることができるかな?笑